高校が見えてきて
さっきよりも歩調を遅くした。
『……』
夏休みだから、校庭を歩く生徒なんていないけど。
グラウンドから部活中の声が聞こえる。
校舎の窓はところどころ開いていて
カーテンがヒラヒラと揺れていた。
手入れの行き届いた花壇の花が
“来れたじゃない”って、微笑んでくれてる気がした。
一人で…来れたんだ…私。
自分の高校まで、一人で、来れたんだよね。
たったそれだけなのに
普通のことなのに
その1つ1つに感動した。
嬉しかった…。
目に見える成果が、結果が、1つでも多く欲しかった。
それが、また次のステップへの自信になるから。
