ホワイトデーの奇跡【完】




『…武藤くんには…いつも…お世話になってるから』


「世話してるつもりはないけど」


『…そっか』


「放っとけないだけ」


『えっ…』


「似てるんだよね蒼井。俺の妹に」



妹さん? 私が?

どんな人なんだろうって、考えていると…


そっと、私の頭に武藤くんの手が置かれた。




『っ…』





ビクッ――少し遅れて、体が後ずさったけど…

なぜか、緊張感はそれ以上増さなかった。

それは、きっと…武藤くんの手が

あまりにも軽く優しく頭に触れたからだと思う。


この手は、私を傷つける手じゃないって…

触れた箇所から感じるから。





「…焦らず、ゆっくりと」




そう言って、2回

ポンポンと子供をあやすように

頭を撫でてくれた。