ホワイトデーの奇跡【完】




「で、どうしたの」


『あっ…うん…これ』



さっき印刷したルーズリーフを2枚、武藤くんに渡した。



『明日の、音楽の…テスト範囲、まとめたもの…』


「えっと、これ俺にってことでいいの」


『あ、うん…苦手そうだったから…ちょうど、持ってて…』


「例のコピーしてくれたの?」


『…うん』



余計なお世話かと思ったけど…。

ないよりは、ある方がいいと…思って。



「あのさ、すっごく分かりづらいと思うんだけど」


『…ん?』


「今、すっごい嬉しい」




――えっ…。



『…ぁ……良かったぁ』



武藤くんの顔を見上げると、表情は相変わらずなのに。

なんとなく、顔がほころんでいるように見えた。



「まずいな…男子からの嫉妬の標的になる」


『…なに、それ?』


「まあ、いいか」



よくわからないけど、納得したらしい。