今思えば それは、たった数分の出来事だったのかもしれない。 だけど 私には、そこで時間が止まったように感じていた。 止まった時間の中で 私がずっとずっと思っていたことは 誰か助けてって、ことじゃない。 ――全部、誰にも知られたくないっ。 見られたくないって思った。 知られたらどうしようって お母さんに お父さんに たまちゃんに… そして――…龍平さんに 知られたら、どうしようって。