「…返事をする前からこんな事言ってごめんなさいね。でも、これが私達が思ってることだから。…なんの心配もしないで、ゆっくり考えて、修二に返事をしてあげて」

そう言って楓さんは微笑んだ。その横で、新條会長も笑みを浮かべていた。

…食事を済ませると、レストランで新條夫婦と別れ、家路についた。

「…今日は、突然両親に会わせてすみませんでした」

「…本当、驚きました」

そう言って、口を尖らす。

すると、修二さんは私を引き寄せ抱きしめた。

「…怒ってますか?」
「…怒ってません。驚いただけです」

「…順番は逆になりましたが、俺と結婚してくれませんか?」

「…修二、さん」

「…麗美と共に生きていきたいんです。貴女は、俺になくてはならない存在だ」

「…私にも、修二さんは、なくてはならない存在です」

それは、本当の事。