「春樹、また怒られたんだって?」
そう言ってきたのは隣のクラスで俺の高1のころの親友、秋山 日向(あきやま ひなた)。
チャラくて、いつもふざけている。
でも、やるときはやるし、頭もいいから、生徒からも先生からも、信用されてる。
「なんだよ、チャラ日向。」
「変なあだ名やめろよ、遅刻魔春樹。」
「それのほうが悪意ある。」
俺と日向でじゃれあっていると
「はるちゃーん!お昼食べよ?」
俺のことをはるちゃんと呼ぶのは、この学校で、たった1人。
俺の彼女。
「莉愛。もうお昼か、行くよ。」
「あ、俺も俺も!いいでしょ?莉愛ちゃん」
「もちろん、はるちゃんの友達なら大歓迎だよ」
…こいつら地味に仲良くなり始めてるんだよな。
前は莉愛は、日向のこと怖いって言ってたのに。
まぁ日向となら、浮気の心配もないからいいけどさ。
あー、こんなだっさいことで嫉妬してるとか、絶対バレたくない。
「はるちゃん?大丈夫?行くよ。」
ハッとして見ると、目の前で莉愛が手をフリフリしてる。
「悪い、行こっか。」
俺は莉愛の隣をゆっくりと歩いた。
「今日は味噌ラーメンだーーー!!!」
大声で叫んでるチャラ日向はほっとこう。

