笑うな。



ガラッ。


「とーちゃく!!いぇーい」


莉愛は授業中だということを考えなかったのだろうか。


思いっきりドアを開け、叫びながら入った。



「莉愛、さすがに…」


止めようとしたが遅すぎた。



「佐々木、中山!!また遅刻か!二人揃って仲いいのはいいが、そろそろ単位が危ういぞ。二人揃って…な?」



「うげ、しろちゃん…」



俺達の担任、白井先生ことしろちゃん。


数学の先生で、生徒からは絶大の人気を誇る。



「しろちゃんじゃない、白井先生だ。そこは直しておけ。」



「えぇー、しろちゃんはしろちゃ「白井先生、莉愛には後で言っときますんで。とりあえず、席ついていいすか?」



俺は、このままだと時間がかかると判断して、莉愛の言葉を遮った。



「はるちゃん!なんで遮るの?」



莉愛は横で何か言っているが気にしない。



「んー、まぁ中山がそう言うなら、とりあえず席つけ。あとで俺んとこ来いよ。」



しろちゃんはだるそうに言って、また授業を始めた。