キーンコーンカーンコーン。



「はるちゃん、早く早く!」



ガチャン。


俺は自転車を駐輪場に止めて、急いで走った。


莉愛が俺の腕を引っ張る。




既にチャイムは鳴り終わってるから、遅刻決定なのだから、走らなくていい気がするが、莉愛が走るのだから、しょうがない。



「莉愛っ!慌てすぎだよっ」



「いいじゃんー。はるちゃん、もっと早く!遅いって。」



莉愛は運動部ではないくせに、体力がありすぎる。


なんで一階から四階までダッシュで走って、息切れしてないんだよ。



俺達のクラス、2年G組は四階の1番端っこ。


生徒から、遠すぎると言われている場所だ。