「莉愛、怒ってないよ。さ、早く行こっか。遅れちゃうよ。」
「怒ってない!?よかった……えぇ、もう8時!?え、遅刻決定じゃない???」
莉愛は時計をみて、ものすごい勢いで慌てる。
「大丈夫、莉愛。ほら」
俺はそう言いながら、自分が乗っている自転車の後ろをポンポンと叩く。
莉愛は顔を輝かせながら、ピョンっと飛び乗った。
「よし!はるちゃん、れっつごー!!」
「はいはい。捕まっててね、落ちちゃうから。」
「大丈夫だしー(笑)はるちゃんが私のこと落とさないように運転しなさーい!」
「わがままなお姫様だなー」
俺がそう言うと
「きゃははは、もっと早くー!」
莉愛は甲高い声で笑った。
俺もつられて笑った。

