「莉愛ー!まだかよー」
俺、中山 春樹は現在、高2。
もう5月だから春といっても暖かい感じ。
「待ってー!はるちゃんっ」
俺の彼女の佐々木 莉愛(ささき りあ)が、ドタバタしながら家から出ようとしているのが音でわかる。
ガチャッ。
「はるちゃん、お待たせ!待った?」
莉愛は少し髪がはねていて、寝坊したんだろうなってすぐわかった。
「ううん、待ってないよ。これくらい、いつもと同じだよ。莉愛はいっつも寝坊するからな〜」
「うわぁん、ごめんなさい!!はるちゃん、怒んないで??」
俺が少し拗ねたようにすると、莉愛は慌てて俺に上目遣いで謝ってきた。
これが素なんだから、恐ろしい。
よく惚れた方が負けっていうけど、そのとおりだと思う。
今の俺は、莉愛が何しても許せるきがする。