あの先生、なんか苦手だ。


何考えてるのかわからないし、授業もつまらない。


高3の文系クラスの数学なんて、ちゃんと聞いてる生徒はほとんどいないのに、


雑談も一切無しで、ひたすら真面目に教科書を進める。


笑った顔も見たことないし。

絶対彼女いないよなー。



…あ、そうだ。


私は良いことを思い付いて、ニヤリとした。


シャーペンを握り直して、

答案用紙の右下の空欄に、落書きをした。


ちょっとブサイクなウサギの自作キャラクター。

吹き出しにセリフ付き。


『全然できなかった!先生ゴメン!』



年上男子って、こういうの好きだよね。