「先生!」
教卓の前に座る桃が勢いよく手を挙げた。
…嫌な予感しかしない。
普段大勢の前で発言することのない桃。
まさか…
「リレーとか走る系の種目は全部夏美にやらせたらいいと思いまーす!!」
「ちょっ…」
ちょっと待てー!!
それは言わない約束だろー!!
なんでここで言うかな!?
これ絶対めんどくさいことになるじゃん!
こんな私の心の叫びは届かず
桃の言葉に瞳を輝かせる担任。
「それは本当か、宮田!
よし、じゃあ50m走、100m走、クラス対抗リレー、色別対抗リレーは青山にまかせよう!」
…最っ悪だ。
本人の了承なしに決まっちゃったよ。
普通本人に聞くでしょ、これでいいか?とか。
あー黒板に名前書かれちゃったよ、もう取り消せないじゃん。
嘘だろ…。
恨みを込めてじーっと桃の背中を睨み付けると、それに気づいたのか後ろを振り返ってきた。
(私の席は窓際の一番後ろのため)
口パクで何か言ってるようだ。
…さ、つ、き、の、お、か、え、し…
さっきのお返し!?
え、まさか言わなかったことまだ根に持ってたの!?
それをここで返してくるとは…後で覚えてろよ!(ついつい口が悪くなる青山さん。)
「なんだか大変なことになっちゃったね。」
桃のお返しに頭がいっぱいだった私に声をかけてきたのは
「あ、高野くん…。」
昨日のさわやかイケメンくんでした。

