辺りは暗くなり始めている。

あの場所に唯斗が駆け付けてくれたのは、昼休みに女子達と話しているのを聞いてたらしい。

まるで王子様だよ。

「助けてくれてありがとう」

「礼を言われること…」

唯斗が言い終わる前に私は抱きついた。

顔中が熱くなる。

顔を上げると唯斗は目を丸くさせ驚いている。

でも、ゆっくりと抱き返してくれた。

「…私」

緊張する…

心臓がうるさい。

「唯斗のことが好き…」

やっと言えたこの言葉。

私の一番言いたかった…

「俺も好き…香那のこと」

…え?

今なんていった?

唯斗が私のこと好き?

顔がほんのり赤い唯斗は優しく微笑んでくれた。

「絶対離さないからな香那のこと。

だから香那も俺から離れんなよ」

「う、うん///」