妖精の国 ~アルヴヘイム~ Ⅰ



“何処か遠くへ”と思いながら森の奥を走った。


木にぶつかったり、転んで膝をすりむいたりしても立ち上がり走り続けた。


「おいっ!あの女はどこ行ったっ!?」


後ろからはさっきのサラマンダー達の焦る声が聞こえた。


「はぁ......はぁ......。どこまで、追いかけて...くるの...」


ティアナが着ていた白いワンピースは泥で汚れていた。


「────っっ!」


足元をちゃんと見ていなかったティアナは、木の根っこ部分につまずいた。


「...痛いっ」


ティアナの足は赤く腫れ上がり、動けそうになかった。


「どうしよう......」


ティアナは1人森の奥に座っていた。


「見つけたぞっ!!」