妖精の国 ~アルヴヘイム~ Ⅰ



すると男たちはティアナを捕まえようと 家の中に入ってきた。


「.........あ、あの、どうかしましたか?」


ティアナは怖がりながらも聞いてみた。


「我々(サラマンダー)の王の命令でな。お前を連れていく。悪く思うなよ」


するとリーダーらしき人の隣にいた1人の男が、ティアナの腕をがっちり掴んだ。


「────っっ!やめて下さいっ!」


振り払おうとしているが男の力に勝てるわけもなく、ティアナは外に出された。


「......やめて下さいっ、痛いですっっ!」


ジリジリ掴む男に恐怖を抱(いだ)いたティアナは冷静さを失い、呼吸が途切れ途切れになっていた。


すると、ティアナの目の前に氷の結晶が現れ、ティアナの腕をがっちり掴む男の腕に氷の結晶が勢いよくズサッと刺さった。


「あ゙ぁぁぁぁぁーーーーっっ!!!」


その拍子に男は手を離した。


ティアナは一瞬驚いたものの、その隙に走り出した。