「でも、あなたは王族でしょ?」
「クスクスっ。なんでわかったの?」
ルキは薄笑いをして聞いてきた。
「部屋の雰囲気とあなたに品があるからです」
「そう。その品がある俺は、社交辞令が苦手でね」
「そうですか。でも、私は4つ離れたお兄様にもこの喋り方です」
「そうか、じゃあ癖なんだね」
「はい」
「じゃあせめて“ルキ”って言ってよ」
ティアナは少し悩んだ後、ルキに微笑んで言った。
「う〜ん...。じゃあ “ルキさん”で」
「呼び捨てじゃないんだ」
ルキは苦笑いをした。
「...あの、私そろそろ家に帰らないと、お兄様が心配しますので、そろそろ失礼しますね」

