「じゃあ、行ってくるね。ティアナ」


アンディ(義兄)が 本を読んでいるティアナに微笑みながら言った。


するとティアナの目線はアンディを捉え、目を細めた。


アンディの髪は黄緑と金色が混ざった髪の色をしている。だから、アンディはシルフだ。


「お兄様、気をつけて行って下さいね」


アンディは木でできたドアをゆっくり開けると、スタスタと行ってしまった。


ティアナはアンディの後ろ姿を窓からジッと見つめるだけ。


アンディにあまり外に出るなと言われているからである。


外に行くときはアンディと一緒に行動をするというルールがあった。


もちろん、そのルールはアンディが作ったもの。


ティアナはそんなルールに違和感はなく、“女の子を1人で出歩かさないため”とアンディなりの優しさと思っていた。


でも最近のティアナは、外の世界を冒険したいという気持ちが芽生えはじめていた。


だからといってルールを破るわけにもいかなと思い、いつもドアノブを掴む程度で終わっていた。