遡る事一週間前

下校時間を過ぎ、人が居なくなった学校で
自分の彼氏、百瀬蒼 (ももせ そう)こと百瀬先輩を呼びに百瀬先輩のクラスまで行った。
私は1年で、百瀬先輩は3年生
百瀬先輩は人気があった。
優しくて優しくて、お人好しで、
出会ったきっかけはまたいつか

そうして私は急いで3年生のクラスへ行った

クラスへ着いたところで百瀬先輩と女子の先輩が居ることに気付いた。

次の光景に目を疑った

そして私はそのまま走った。

全力疾走した。
こんなに走ったのは初めてなんじゃないかという程に走った。

酸欠になってきて、口から血の味がしてきたとき、とうとう走れなくなって膝から崩れ落ちた。

「あ、はは」

乾いた笑みしか浮かばなかった

涙も出なかった。

人間はこんなに悲しいことがあったら泣けないのか

それとも

私が異常なのか

口を噤んでいると地面が濡れてきた


嗚呼、雨が降る。
私の頬を濡らして、私だけに降りかかる雨。