お前、可愛すぎてムカつく。




「マジで…」


「終電…とっくに過ぎてる」


駅の方を見ると人通りはなくて、暗くなっている。


ここから自宅までは結構な距離があって、タクシーではいくらかかるかわからない。


桐谷くんは自分の財布の中身を確認していた。


「タクろうかと思ったけど、榎本さんちまでは無理だな…」


「や、やっぱり…?私も2千円しかない」



今日は先輩にほとんどおごってもらったはずなのに、これしか持ってこなかった自分に腹が立つ。


どうしよう…野宿とか…!?



「俺んちまでは交渉すりゃ行けっかも」


「えっ…じゃあ帰っていいよ、私はこの辺で寝床を…」


ごんっと結構強めに頭を叩かれた。


私、一応女なんですけど。



「バカか。俺が助けにきた意味ねぇじゃん」


そう言ってすくっと立ち上がった。