花壇を見てみると土が乾いていたからちょうどよかった。
じょうろに水をくんでいると、後ろから肩を叩かれた。
「榎本、今日当番だったっけ?」
「松林先生…」
松林先生は英語と、美化委員の担当の先生で、まだ20代の新米教師。
若くて明るいから生徒とも仲が良くて、人気者。
「いえ、当番じゃないんですけど、花が気になって…」
「ハハッ。榎本は偉いなぁ~俺なんて気にしたことないよ、美化委員担当なのにダメだよな」
豪快に笑うと、ポンと頭を撫でられた。
「俺も手伝うよ」
松林先生はそう言って私のじょうろを持ってくれた。
フッと近くなったとき、タバコの香りがした。
やっぱ先生は大人って感じ。
同学年の男子とは違うな…
「榎本は真面目だよな、授業もいつも集中してるし」
「そんなことないです、集中してるふりして違うこと考えてるんですよ。今夜の夕飯なにかな~とか、放課後どこに寄ろうかなとか…」
「アハハっそうだったのか!女子高生らしいなっ」



