そんな漫画の中から飛び出してきたような男の子を好きになる女子はやっぱり多かった。
でも私はちょっと苦手…
というか、かっこよすぎて目が合わせられないだけなんだけど。
そんな彼の横には、私の隣の席の長谷部渉(はせべわたる)くんがいた。
この人もまた女子から人気だけど、桐谷くんとは違い、大人っぽくて優しい雰囲気の人だった。
隣の席だから必要最低限の話しかしたことがないけど、いつも色々と親切に教えてくれる。
そういえば翠と、この2人は同じ中学校って言ってたし…
仲良いのかな。
「あっ！彩きたー！先生なんだったの？」
「う、うんっ…この前の小テストのことでちょっとね！」
翠には担任の先生に呼び出されたと嘘をついていた。
