「あれ?蒼空と彩ちゃんって仲イイの?」
その時、颯太先輩の声がしたので振り返ると…
そこには先輩と、隣にはいつも一緒にいる女の先輩が立っていた。
「颯太先輩!」
「おはよう彩ちゃん」
爽やかな笑顔で微笑んでくれている!
朝から先輩に会えるなんて…
でも隣の女の先輩は真顔で私を見つめている。
睨まれているわけじゃないのに、ちょっと怖い。
「蒼空、昨日彩ちゃんと一緒に帰ったんだ?」
笑いながら桐谷くんに話しかけている。
先輩、桐谷くんと仲良かったんだ…
それなのに、桐谷くんはチラリと一瞬先輩の方を見るだけ。
なんなのその態度!?
先輩がせっかく話しかけているのに!
「クッ。お前は相変わらず生意気だな~」
笑っている先輩の横を、桐谷くんは真顔で通りすぎていく。