「わかんないけど、多分蒼空がいるから働き始めたんじゃないかなぁ…ほら、水原さんってずーっと蒼空一筋だったでしょ?」


「そう…みたいだね」



だから職員室で松林先生と一緒にいたのを見たときすごく怒ってたんだ…


でもあれは勘違いなのに…


私だって蒼空一筋なのにっ。



渉君は私の顔を覗きこんでニヤリと微笑んだ。


「彩ちゃんも働いてみる?」


「え!?」


「蒼空の事、まだ好きでしょ?」


「そりゃ…」


もちろんに決まってる。


まだ好き…じゃなくて、今もこれからもずーーーっと好きだよ。


「それなら水原さんを近づけちゃだめでしょ。彩ちゃんも蒼空の事諦めたくないならその気持ち伝えなきゃね」


「う、うん…」


「店長には俺から言っとくからさ。軽い気持ちでやってみなよ」


「わかった…」



とは言ったものの、本当にいいのかな。


距離を置きたいって言われたのに勝手に近づくようなことして蒼空に嫌われないかな…