「でも…嬉しいな。お前がそんなに考えていてくれてたなんて」
首を横に振ると、私の頭に置いていた手が頬の方に下がってきてドキンとした。
先生は何も言わず真っ直ぐに私を見つめている。
なぜか体が硬直して動かなくなった。
「松林せんせーい」
どこからか声がして、先生の手は私の頬から離れた。
「あ、はい!今いきます」
先生はそう返事をすると私に「またな」と微笑んで行ってしまった。
い、今のはなんだったの!?
先生の手が私の頬に触れそうになって…
でも先生がそんな邪な考えを持つわけない。
蒼空とはちがうんだからっ…
ドキドキした胸を押えながら、教室へ戻ろうと職員室を出た時…
水原さんが廊下に立っていた。
目が合い、私の体が動かなくなった。



