蒼空はどこから話を聞いていたんだろう。
朱里先輩がいじめられてたこととか…聞いてたかな?
今はそれどころじゃないのに、そんなことを考えながら歩いていた。
辿り着いた場所は、見覚えがあるアパート。
私はこの前ここから必死に逃げてきた。
煙たい部屋にお酒の匂い、男たちの笑い声。
思い出すと吐き気がする。
でも私が言い出したことだもん、弱音はいてどうするの?
インターフォンを押すとすぐにドアが開いた。
しかし出てきた人は冬弥さんではなかったけど、あの鍋パーティで隣にいた男だった。
「あ?お前ら誰だ?って…この女!」
その男は私を指差した。
「おい、人の女を指差すんじゃねぇよ」
蒼空はその男の手を掴む。
その時、中から冬弥さんが出てきた。



