「そんな目で見んなよ。かわいそぉとか思ってんの?俺惨めじゃん」
「べ、別にそんなこと思ってないよ。桐谷くんのピアス綺麗だなって思って…」
自分の思いを隠そうとそう言ったけど、よく見るとほんとに小さくて綺麗なピアスをしている。
桐谷くんは右に2つ、左に1つピアスがあいていた。
「榎本さんも開ける?」
「え!!無理無理こわいもん!」
「大丈夫だって。俺開けるのうまいし。ピアッサー教室にあるから」
「えええー!!」
突然のことに動揺してしまう。
耳に穴を開けるなんて…想像しただけでも鳥肌たつ!
「いーじゃんイメチェンしたんだし、耳もやっちゃえば?」
「考えておきます…」
私の顔を見て、桐谷くんは悪巧みをしてるような顔つきをした。
ほんとにいじめっ子だなこの人は…。
きっとまた私の反応を楽しんでいるに違いない。
私たちは一時間そこでサボって色々話をした。
彼にとってはどーってことない一時間だったと思うけど、私にはとても大事な一時間だった。
桐谷くんのおかげで先輩に対する気持ちもスッキリしたし、それに桐谷くんから色んな話を聞けてよかった。
でも………
まだ朱里先輩のことは好き?
これだけはどうしても聞けなかったけど。



