さすがに名指しで何度もネタにされたチャンピオンが食い付いて来た。

「面白そうなヤツがおるらしいやんか」

いい加減退屈な防衛戦に疲れたチャンピオンは

「次を最後にベルト返上だ」

そう言って雑誌の俺の写真に火の点いたタバコを押し付けて来た。

「生意気なボクサーにボクシングの厳しさを教えてやるよ」

こうしてチャンピオンは俺の挑戦を受け入れた。