あした、地球に星が降る。


「ねーあんたなんで家出なんかしたの」



傘をくるくると回して星屑をあっちこっちに飛ばしながら、私のほうも見ずに言う。 別に興味ないんじゃないんだろうか。



「急に突っ込んでくるね、そして興味ないでしょ」

「あるある。いーじゃんほら、暇つぶしに話してみ。 じゃないとおれは睡魔にやられる」

「あーはいはいわかったよ」



弱みを握ったのをいいことに、初対面の人間のプライベートにズカズカ入ってくるなんてなんて男だ。しかも半分脅迫じゃないか。

でも不思議と話したくないとは思わなかったから、まあいっか。



「ほら、私たちって受験生でしょ? どうしても行きたい学校あって、毎日勉強、勉強。
私、けっこう期待されてたから頑張ってたんだよね」



県内でも有名な進学校。中学生になったときからずっと、可愛い制服と自由な校風に憧れていた。

先生たちにはおまえなら大丈夫だと言われていたし、私は私で合格できるだろうなっていう変な自信があった。



「でも、追い込みの時期だっていうのに模試の結果はガタ落ちで最悪だし集中できないしで、精神ズタボロ」



あの制服を着るために私は皆んなよりもずっと早くから勉強していたし、そのせいで友達が離れていこうとなんにも思わなかった。 すべてはあの制服を着るためだった。