まずい、ますます変な目で見られてる。今、彼にとって私は変人以外のなにものでもないんだろう。 ……仕方ない、ちっぽけなプライドを捨てよう。
「い、家出して……迷子に、なっちゃって。スマホもなにも持ってないし帰れなくてウロウロしてた、みたいな……?」
「あー、それで」
こくんこくんと控えめに頷く。
「ふーん。 まあたしかに恥ずかしいっちゃ恥ずかしいけど、そこまで?」
「だって……君、年下でしょ? 中学生が小学生に迷子ですなんて言うの恥ずかしくって」
「は?」
「え?」
シン、と静まった空間に変な緊張感が走る。
そして、ぎろりとビー玉がこちらを睨んだとき、もしかして私はまずいことを言ったのかもしれないと後悔をした。
「も、もしかして……」
「そのもしかしてだよ」
たらり、背中に冷や汗が流れる。
「ご、ごめん……中学生だったんだね! 一年生? あっ、二年生かな?」
「三年生15歳だよ海に沈めんぞクソガキ!!!!」
早口でまくしたてられてヒイッと体を縮める。 美人の怒った顔は、たとえどれほど童顔だったとしても迫力があるらしい。
二年生でもフォローを入れたつもりだったのにまさかさらに墓穴を掘っていたなんて。 悪いけれど、どう頑張ったってせいぜい中一くらいにしか見えない。……とは、さすがに口が裂けても言えないけど。



