あした、地球に星が降る。


「まともに会話もできねーのかよブス」



思わぬ言葉に「は?」と声が漏れる。 まさか初対面のこんな小さい子からそんな暴言を投げつけられるとは思っていなかった。



「君さあ、さすがにそれって……」



失礼でしょ、と顔をあげて驚いた。 見惚れる、とはまさにこのことなんだと。



「……妖精?」



馬鹿みたいなことを言っているのはわかっている。でもそう錯覚してしまうほどに、彼は綺麗だった。


ビー玉のような大きな瞳とスッと通った細い鼻すじ、薄い唇。小さな顔にはそれらのパーツが寸分の狂いもなく乗せられていた。

なによりも黒というよりも灰色に近い髪は、星の光をきらりきらりと映し出していて、まるでそこに夜空があるみたいに美しかった。


さっきのブス発言も、この子がそう言うんだったら仕方ないよねって納得せざるを得ない。



「はあ?」



頭おかしいんじゃねーの?と整った顔がそう言っている。 なんて分かりやすい子なんだろうか。



「ご、ごめんね。 私、こんなに綺麗な人って初めて見たからつい」

「ふーん、そりゃどーも」



言われ慣れているのか、男の子は興味なさげに言う。まあこれだけ綺麗だったら当然か。



「で、結局こんなとこに何しにきたわけ? あした地球が終わるって日にひとりで」

「あ、えっとその……」

「はあ……なんなのあんた、鬱陶しいんだけど。 なんかマズい理由でもあんの?」