あした、地球に星が降る。


歩き出すと決めれば、もうずっと重たかった体がすっと軽くなるのを感じた。



「……よし!」


太ももをパンッと叩いて立ち上がる。


太陽なんてとっくに沈んでいて、もう今日が終わろうとしている。数時間後には、長く短い夜を見守ってくれた星の海の向こうから、明日がやってくる。 一刻も早く、ここを脱け出さないと。

星が降るのは明日の終わり頃かもしれないし、迷いながら進んだってきっと遅くはないはずだ。


海の香りに浸された冷たい空気をスゥーッと吸い込んで、私は大きく一歩を踏み出した。

どうか星が降るその瞬間(とき)に間に合いますようにと願いながら。


この時間になれば真っ暗になるはずの田舎の夜道も、今は星屑たちの放つ光でぴかぴかと輝いていている。 少しずつ小さくなる波音に引き返したくもなったけど、母や弟のことを考えると知らず知らずのうちに足が進んでいた。

大丈夫、知らない夜道も今はこわくない。 ひとりでも私は前に進めるんだ。


そして二、三十分くらい歩いた頃だろうか。いつの間にか波音が聞こえなくなっていたことに気がついた。 かわりに、からんころんと星屑を踏む音が響く。もう何度も聞いているはずなのに、おもしろいな、と今初めて思った。