今日が終わったら、明日には明日が来ないらしい。



星の子どもたちが黒い海に飛びこんでいく様子を私はただじっと見つめていた。きらきら、ぴかぴか。水面にぶつかった瞬間、星の光はやわらかくなって、曖昧に消えていく。


ゆらゆらゆらゆら、さようなら。こっちのピンクの子もあっちのオレンジの子も、黒い海に呑みこまれる。海に呑みこまれたらもうおしまい。ごちゃ混ぜになって戻れない。



奇妙な光景だけど、慣れてしまえば案外なにも感じなくなるものだな。

星屑が降りはじめたあの夜から、私はもうずっとここでこの星の海を眺めていた。 そして、待っていた。 誰かが私を迎えに来てくれるのを、この海辺で。


毎日毎日、待つだけ。なにもしない。
ただひたすら海を眺めながら、私の手を取り歩んでくれる人を待った。

そして今日が終わるときは、明日こそはと思いながら眠りについた。


だけど明日が今日になっても、今日が昨日になっても、私はずっとひとりぼっち。 それもそうだろう、思えばこんな小さな田舎町のさらに隅っこの海になんて誰も来ない。この海も私と一緒、ひとりぼっち。


そして、今朝のノイズ混じりのアナウンスを聞いて、私はやっと待つことをやめた。 どうやらもうお迎えはもう来ないらしい。もう本当に、誰も来ない。