青空は果てしない灰色の雲に包まれ、太陽はもう何日も姿を現していません。


その代わりに薄暗い曇り空から降りそそぐのは、小さな小さな星屑です。



ピンクや水色の淡い色のものから、赤や緑、ゴールドといった派手な色のものまで。 きらきらと小さな輝きを放ち、小雨のごとく地上に舞い降りる様は、まるで宝石のミストのようです。


さまざまな色をしたそれらは小指の先ほどの大きさもなく、金平糖のようなとても可愛らしい形をしていました。

触れてみれば、ほんのりとあたたかく、みんなが優しい気持ちになります。



どうやらこの不思議な現象は、この街だけでなく世界中で起こっているようです。

最初はどこもかしこもこの話題で持ちきりでしたが、今ではすっかり世間も落ち着きつつあり、人々はそのうち以前と変わらない生活を送るようになりました。


ほんの数日前まで気味悪がって家にこもっていた街の人々も、傘を差して街に繰り出し、そっと光の雨に手を伸ばします。

そして、うっとりとした瞳でみんなが口々に呟くのです。



「ずっと見ていられるわ」
「こんな美しいものは見たことがない」
「まるでおとぎの国にいるようだ」

「ああ、なんて素敵な夢なのかしら」