あした、地球に星が降る。


それから僕は、心底面倒だと思っていたはずのユキの良き相談相手になっていた。ユキは僕の部屋に入り浸るようになっていたが、僕はなぜかそれが嫌じゃなかった。


物心ついた時からずっと兄をすきなこと。 思わず告白してしまったら、無理やり僕を紹介されたこと。やっぱりまだ兄がすきなこと。

ユキは、今まで誰にも話せなかったことを僕にいっぱい吐き出した。 僕はただうんうんと頷くだけだったが、ユキはいつも「ハルちゃんだけが味方だよ」とふにゃりと笑ってくれた。


それが少しだけ可愛くて、僕はそれを見るのがすきだったんだと思う。




「ユキも会いたいんじゃない、最期に」

「会いたくないよ、あんな人。 私にはもうハルちゃんだけだから」



そして今、まっすぐに僕を見つめる19歳のユキは、何を思いながらそう答えたのだろう。 欲しかった言葉が返ってきたのに、キリキリと胸が痛んだ。



「あ、ねえハルちゃん見て。星屑、ちょっと大きくなってない? あしただもんね、あした星が降るんだもんね」



ユキが起き上がって窓の外を指差す。 珍しくしっかりと口角が上がった笑顔は、すべてを曖昧にするためのものだとわかってしまう自分が憎たらしい。