彼は一度も私の名前を呼んだことは無い。 何時も“ねぇ”と呼ばれる。 私の名前はねぇじゃないよ。 ましてや奈々じゃない。 「明智さん…」 私が彼の名前を呼んでも、決して彼は私の名前を呼ばない。 ただ笑って、私に触れる。