ピタッと指先が止まった。 それと同時に胸に激しい痛みが突き刺さる。 私の名前は決して奈々じゃない。 私の名前は、恵美なのだから…。 彼はわたしの好きな人。 そして、彼が呟いた人も彼の好きな人。 「馬鹿……」