先生…必死に私を守ろうとしてくれてる…




きっと…私じゃなくても、必死だったと思う。




それが…瀬名先生…。




そうじゃなかったら、先生を先生として、好きじゃなかったかもしれない。




その日は、どこに行っても、陰口が聞こえた。




『あと少しで卒業だったのに、水谷先輩がかわいそう』とか…




『水谷先輩の将来が台なし』とか…




『本当は、たいしたことないのに、あの女がわざと警察沙汰にしたんだよ』とか…




聞こえる度に、梨華を止めるので精一杯だった。




今にも、殴りかかりそうだから…




私は、梨華と一緒に卒業したい…




梨華と一緒なら…




先生がいてくれるなら…




私は…どんなに辛くても頑張れるよ…




みんな…陰口を言うだけ。




あの先輩だって…自分以外に3人も連れてきた。




結局、人間は1人じゃ…何もできない…




弱い生き物だよ…




私だって…




1人じゃ、何もできない…




弱い生き物…




弱い生き物同士が一緒にいるのに…




どうして、助け合えないんだろう…




悲しいね…




みんな…強がって生きているからかな…