梨華は、私が辛い思いをすると思って言わないんだと思う…




それが、梨華の優しさ…。




悪口が聞こえないのは…この場所だけだよ…




きっと…先生のクラスだからだよ。




「もうみんな知ってると思うが、3年の水谷が事件を起こして退学になった…」




みんな、物音1つもたてないで、ジッと聞いている。




「水谷も…あと少しで卒業って時に辛いだろうが…1番、辛い思いしてるのは…上原だから…そこをみんな分かって欲しい」




先生…




先生や梨華がいるから…辛くても学校に来れるんだよ…?




先生や梨華がいなかったら…きっと、来れなかった…




「言っとくけど…いじめは絶対に許さないからな! いろいろ、陰で言ってるやつもいるが、我慢して聞き流せ! 手だけは絶対、出すなよ!」




「大丈夫だよ。このクラスに、いじめはありえないから。うちら、みんな彩音ちゃんの味方だから」




みんな……………。




改めて思う………。




本当に、このクラスでよかった!!




先生のクラスでよかった!!




「どうしても、我慢できない時は、まず俺んとこに来い! 俺が何とかしてやるから」




先生が熱血だって言われるのが、少し分かった気がする。




「上原、もし何か言われたり、されたりしたら…すぐに俺に言うんだぞ!」




「はい…」