すると…先生は、おでこにキスをした。




普通に唇にキスされると思ったのに…




私の唇に、先生の人差し指を当てながら…




「ここは、もうちょっとしてからな」




私…先生の事…誤解してた。




あの日のキスから、先生は軽い人だと思ってた。




でも、これって…大事にされてるって思っていい…?




「どうしよっか…これから。もうちょっと寝る?」




「そう…だね…」




そうですね…って言うところだった…。




やっぱり…まだ意識してないと敬語、使っちゃいそうだよ。




「おいで…」




先生の腕まくら…ドキドキする…




「やべぇ…俺…我慢できるかな…」




「えっ…?」




「好きな女が隣にいるって、男としては我慢の限度、越えてるから…」




私…先生になら…あげてもいいよ…




私の『はじめて』…。




でも…めんどくさいって思うでしょ?




だから…『はじめて』って言えない…




「智希…我慢してるの…?」




「そりゃあ…ねぇ…」




でも…『いいよ』って…言えない…




また、めんどくさいって言われるのが怖いから…




先生は…そんな人じゃないって思うけど…




心のどこかでは…疑ってる…




先生に…拒否される事が怖い…。