信じてくれるよね…？




先生…。




「私…瀬名っちに言ってくるから」




「いいよ…。私、具合悪いから帰るね…」




それだけ言って走った。




今は先生の顔なんて見たくない…。




「彩音！！」




梨華の声が遠くなる。




ゴメンね…梨華。




いつも心配ばっかりかけて。




今日だけは許して…




家に着いてから気付いた。




荷物…学校に全部忘れてきちゃった…。




携帯もない…。




もうどうでもいいや…。




先生はきっと今…椎名さんの事で頭いっぱいだよね？




私の事なんて…頭の片隅にもいないんだろうね…。




先生なんか…好きになるんじゃなかった…




こんなに苦しくて辛いのに…




あんなに悲しい想いしたのに…




信じてもらえなかったのに…




どうして先生の事…




キライになれないんだろう…




キライになれたら…




こんな想いしなくてすむのに…




どうして『好き』が溢れ出すの…？




時間が先生への『好き』を溶かしてくれるなら…




このまま私の事…放っておいて…




そしたら私…先生の事…




キライになれそうだよ…。