パリーン……。




えっ!? 何!?




何が起こったの??




音のした方を見ると椎名さんの腕の所のブラウスが血に染まっていた。




「椎名!? 大丈夫か!?」




先生は私の事なんて見もしないで椎名さんに駆け寄った。




先生…。




私はただ突き飛ばしただけだよ?




ガラスは椎名さんがわざと割ったんだよ?




見てた…よね?




「上原さんに突き飛ばされて…」




先生…。




やっと私を見てくれたね。




でも何で怖い顔してるの?




「上原…朝の事は謝っただろ? 仕返しなんかやめろよ。ケガまでさせて…お前最低だぞ」




最低!? 最低なのは椎名さんの間違いだよ…。先生…。




本当に悲しい時、涙が出ないって本当だね…。




「椎名、立てるか? 保健室行こう」




先生…。椎名さんの肩に優しく触れるのやめてよ…。




頭を撫でたりしないで…。




優しく話しかけたりしないで…。




お願い…。




私はただ黙って見ていた。




「彩音、何で何も言わなかったの!? ただ突き飛ばしただけじゃん!! それに悪いのは椎名さんなのに…」




もういいよ…。




先生は私が朝の仕返しをしたと思ってる…。




でも私は先生が悲しむ事はしないよ…。