「上原ー、日誌書いて職員室に持ってきて。それからプリント作業やるから」




やっぱり今日もやるのね…。って昨日は何にもやってないんだっけ？？




「彩音、終わったら電話して。久しぶりにお茶しよ？」




お茶って言っても、ただハンバーガー食べて延々としゃべるだけだけど…。




「でも何時になるか分かんないよ？」




「大丈夫！うち門限ないから」




『電話待ってるから』と言って梨華は帰っていった。




久しぶりに梨華とお茶するんだから今日はとっとと終わらせないと…。




日誌も急いで書いて職員室へと走る。




職員室のドアを開けようとした時だった…。




中から話し声が聞こえた。




「上原だけ特別扱いしろって事ですか？」




瀬名先生…だよね？




「そうは言ってませんよ。ただ女の１人暮しの家に担任とはいえ、男のあなたが上がり込むというのもどうかと…」




この声…校長先生？？




まさか…家庭訪問の事？？




「それ…どういう意味ですか？」




「だから何かあってからでは遅いと…それに世間が何と言うか…」




「それって…私を教師として信用してないって事ですか？」




「そうは言ってませんよ」




やっぱり…無理だよね？？私に家庭訪問なんて…。




私は教室まで走った。どこをどう通ったか全く覚えていない。