「今回はしないよ」




梨華がそう小声で言った。




私が言いたい事は分かったみたいね…




今年こそ、梨華と思う存分遊ぶぞぉ〜。




だって、高校生活最後の年だし。




そう思ったのもつかの間だった。




「私、彩音ちゃんがいいと思います」




えぇぇ〜〜〜!!!!!!!




「去年もやってくれたから、今年は違う人にって思ってたけど…彩音ちゃんと瀬名っちとの名コンビがまた見たいってみんな言ってるし」




梨華と思わず顔を見合せた。




コンビって…。一体、みんなにどんな目で見られてたんだろう?




「コンビって…お前らなぁ、生徒と教師は友達じゃないんだぞ」




「ゴメン、間違った。理想のカップルの間違いだった」




理想の…カップル…??




そんな事言われると、茹蛸みたいに真っ赤になっちゃうよ///




チラッっと智希の方を見ると、澄ました顔をして




「あんまり変な噂流さないでくれよ。俺、彼女と結婚決めたんだから」




そう言って、見せられた視線の先には指輪が光ってた。




えっ…!!??




あの指輪って…私の首につけてる、この指輪とペア??




ペアリングだなんて聞いてないよぉ!!




「マジでぇ!?おめでとう。瀬名っち」




「どうも。だから、どうせ流すならこっちの噂を流せ。上原に被害がいったらどうするんだよ?」




智希…。ありがとね…。




私の為に…ありがとう。