時間は流れてホームルーム。




2年にもなると時の流れがものすごく早く感じる。




「来週から家庭訪問だからなー」




手際よくプリントを配る先生。




クラスからはやっぱりブーイングの嵐。




「親にちゃんと見せろよー。都合が悪い時は早めに言えよ」




プリントを見ると、私は水曜日の1番最後だった。




あの時の言葉を思い出す。




『去年の分もやろうな』



『たくさん話せるように最後にするから』




本当に最後にしてくれたんだ…。




ありがとう…先生。




去年、同じクラスだった子が言ってくれた。




「今年は家庭訪問あるんだ? よかったね」って。



するとその子は去年の担任の話しを始めた。




私に親がいないからって家庭訪問をしてくれなかった事。




3者面談や2者面談もしなかった事。




テストの点がいいと、いつもカンニング扱いされてた事。




ここまでならまだ何とか我慢できた。




1番傷ついたのはクラスみんなの授業料が入った集金袋がなくなった時だ。




先生はよく探しもしないで私が犯人だと言った。親がいなくて生活費に困ってるからって…。




その時ばかりはさすがに『死にたい…』って思った。