空港から一歩、外に出ると、みんなの第一声は『暑〜〜い』だった。




周りをみると、みんな半袖。




長袖のブラウスの上に、ブレザーを着てる私達。




完璧によそから来た修学旅行生だって分かる。




みんな脱いで、袖を捲った。




あとで半袖に着替えよ…




「シーサーがいっぱい」




どのお店を見てもシーサーがいた。




沖縄のお土産の定番。




私はお土産なんて買う人いないから…




自分に何か買おうっと。




「彩音はもちろん瀬名っちに買うでしょ?」




「えー…どうしよう…だって同じトコに来てるのに変じゃないかなぁ?」




「変じゃないよ!!愛する彼女にもらうんだから、うれしいに決まってるって」




何か…梨華にそう言われると…そうかなって思える。




「じゃあ…何か買おう」




もう班行動なんてないから梨華と思いっきり楽しめる。




その分、担任である智希に責任が降り懸かってくるけど…




うちのクラスなら大丈夫な気がする。




智希を困らせるような事はしないはずだから…




あるお店で見つけたガラスでできたシーサー。




『恋が叶います』って書いてある。




「うちらは叶っちゃってるからねぇ…」




「だよね…」




「じゃあ、こっちだろ?」




後ろを振り向くと、智希が満面の笑顔で立っていた。