先生、ずっと愛してる。

それから、1ヶ月が過ぎた。




この1ヶ月は、すごく辛くて苦しかった。




夏休みでも、室長の仕事で学校に行けば智希に会える。




でも逆にそれが辛い事もあった。




智希は何事もなかったかのように、私を生徒として接してる。




たとえ、教室に2人でいても普通の会話しかしない。




誰が見ても、教師と生徒にしか見えないと思う。




今まで、智希と付き合ってきた思い出も…付き合った事でさえ、まるで何もなかったかのように思える。




鳴らない電話をずっと待ってる私。




会いたくて、智希の住んでるマンションまで行った事もあった。




でも会う勇気が出なかった私。




そんな私を支えてくれたのは梨華だった。




梨華に全てを話した時、梨華は一緒に泣いたり怒ったりしてくれた。




でも1番、支えてくれた言葉。




『彩音が辛い分、瀬名っちも相当辛い思いしてると思う。今の2人の場合、辛い=愛してるって事じゃない?」




頭を後ろからハンマーで叩かれたような衝撃だった。




自分1人、辛いんだってずっと思ってたから…




何か1人じゃないって分かったら、少し気が軽くなったような気がした。




こんな事で、壊れる愛なんかじゃないって見せつければいい。




普通に先生として接しても心は繋がってる。




2人しか分からない事…




瀬名先生、私…明日から先生の前で笑えるように頑張るね。




明日から、新学期。




気持ちを切り替えないと…。