幸せいっぱいな気持ちでプリクラを見ながら帰っていると、後ろから車がゆっくりと近づいてきた。




何…………??




この前の…恐怖が甦る。




このまま無理矢理、車に乗せられたらどうしようとか勝手に考えてしまう。




世の中、そんな人ばっかりじゃないのにね。




「彼女〜、1人?」




…………ナンパですか??




やっぱり…智希に家まで送ってもらうんだった…




寝る間も惜しんで、会いに来てくれたし、まだ仕事があるって言ってた。だから『家まで送るよ』って言ってくれたけど…




「大丈夫だよ。電車もあるし、駅からタクシーで帰るから」って断った。




前のストーカーの事もあるし、智希はかなり心配そうにしてたけど…




飛行機の時間も迫ってたし。




タクシーに乗らなかったのは、ただ単に勿体ないって思ったから。




ケチケチしないで乗ってればよかったよ…って後悔しても、もう遅い。




「シカト?ねぇ、遊ぼうよ」




無視!!無視!!




ナンパぐらい、いつもうまく交わしてるでしょ?




最近、梨華と一緒に街を歩いてると、よくナンパされる。




いっつもうまく交わしてる。




でも、昼と夜じゃ違う。何か…怖い…。




「ねぇ、カラオケ行こうよ〜」




私の横を、私と同じスピードで付いてくる。




でも何か…この声どこかで聞いた事あるような…




チラッっと、その男を見た。