智希に借りた服は、少し大きかった。




2人とも、お風呂に入った後だからシャンプーのいい匂いがしてる。




何か…急にドキドキしてきた…




どうしたらいいのか分からなくて…




気付いたら…智希に抱きついていた…




「彩音…?」




「智希…キス…して」




智希の体中が反応してる。




やっぱり…まだ無理なのかな…?




そう思ったのに…




智希は…




震える唇で…




私の唇に…




キスしてくれた…




優しい優しい…




あっかたいキス…




涙が頬を伝ってるのが分かる。




「無理…してない?」




「してないよ」




もう一度…私の唇に、智希の唇が重なる…




きっと…まだ無理してる。




智希の、震える唇が…その証拠。




でも…言わない。




言わなくていい事もあるよね…?




それが…愛だという事も…




でも…お互い、この事はずっと忘れないと思う。




口で言わなくても、心で通じる愛があってもいいよね…?




世間が何と言おうと、智希と私だけの愛の形…




2人にだけ…分かればいい…