それから、室長の仕事を済ませて、智希の家に向かった。




途中、スーパーに寄って、お昼ご飯の材料を買った。




よく考えてみれば、智希にご飯作ってあげるのって…




初めてじゃない…??




何か…すっごく緊張する…




袋いっぱいの荷物を見て智希が驚いてる。




「何、そんなにいっぱい作んの?」




「それはできてからのお楽しみ。夜ご飯の分もあるから」




にしても…2人しかいないのに、どう見ても買い過ぎだよね…




「……泊まる?」




智希の思いがけない言葉に驚いた。




「えっ…いいの…?」




「いいに決まってんじゃん。できればそうして欲しい」




「でも…お泊り道具、持ってきてないよ?」




「1日ぐらい、何とかなるだろ?着替えは俺のがあるから、後は近くのコンビニで買えばいいよ」




智希んちに…お泊り…




考えただけで、顔がニヤける…




最近、智希との間に距離ができてるような気がしてたから…




これで近付けるかな…




「着いたよ」




…………。




言葉にならない程の、大きな高級マンション…




高校生の私が見ても、お金持ちしか住めない事ぐらい分かる。




「智希って…お金持ちだったんだね」




「は??俺は教師って言っても安月給だから、お金持ちでもなんでもないけど?」