Only you..

もう少しで音楽室。

そこの角を曲がれば音楽室につく。

角を曲がろうとしたその時。

…ドンッ

「うわっ」

「きゃっ」

バサバサバサ

い、痛っ…


顔を上げるとぶつかった相手は

私の事をじっと見下ろしていた。

ぱっちり二重に通った鼻。

毛先を少し遊ばせ茶色がかった髪の毛。

その整った容姿に思わず息を飲んで見惚れた。


「もぉ~遥翔くん逃げ足速すぎ~」


廊下の先から女の子達の声が私を現実へ引き戻す。

「あ~、ごめん。大丈夫か?」

そう言って手を差し出された。

その手を取って立ち上がると

少し遠くで廊下を走る足音が聞こえた。

「ありがとう、大丈夫です。
それより、早く行かないと追いつかれちゃうよ?」

なんだかおかしくて笑ってしまった。


その直後。

「あっ、遥翔くん発見!」


「悪ぃ」

それだけ言ってまた廊下を駆け出した。